つき草のうつろひやすく

【原文】

つき草の 移ろひやすく 思へかも わが思ふ 人のことも 告げ

大伴坂上大嬢

【現代語訳】

露草のようにすぐに変わりやすい気持ちで思っているからなのでしょうか、恋しい人が何も言ってこないのは。

【英訳】

Maybe my dear man
Has a heart as changeable
As a dayflower,
For nowadays my dear man
Has not sent me any word.

【解説】

道ばたに咲くつゆ草は、青い花の色が着きやすいことから月草と呼ばれていました。
しかし、朝咲いた花が昼にはもうしぼんでしまうから、はかなさの象徴でした。
坂上大嬢が大伴家持に贈った恋の歌。