いにしへに織りてし機を

【原文】

(いにしへ)ゆ 織りてし(はた)を この(ゆうへ) 衣に縫ひて 君待つ(われ)
足玉(あしだま)も 手玉(てだま)もゆらに 織る(はた)を 君が御衣(みけし)に 縫ひもあへむかも
棚機(たなばた)の 五百機(いほはた)立てて 織る(はた)の 秋去り(ころも) (たれ)か取り見む

作者不詳(七夕歌)

【現代語訳】

ずっと前に織っていた布を、この夕べ衣に縫ってあなたをを待つ私です。
足玉も手玉も鳴るばかりに織る布をあなたの着物に縫いおおせるでしょうか。
棚機をいっぱいたてて織る布の秋の衣は誰が面倒を見るのでしょうか。

【英訳】

The cloth that I wove
Many years ago I sew
Into my own dress
This evening, and I wait
For my lad the dress to show.