近江の海

【原文】

淡海あふみの海 夕波千鳥うみゆふなみちどり が鳴けば こころもしのに いにしへ思ほゆ

柿本人麻呂

【解説】

過ぎし日々と美しき風景
夕暮れの近江の海を鳴き戯れる千鳥の群に、過ぎし日々が懐かしく思われる日々。
宮廷歌人として華かな生活を送ってきた柿本人麻呂は、左遷されて、都でのきらびやかな生活とは全くの正反対の人里離れた地を転々とする旅をしたようです。
途中立ち寄った近江の風景は、人生の風景と重なった鈍色の美しさを漂わせています。